山口県の先人たち 山口県ひとづくり財団

国立国会図書館「デジタルコレクション」より『近代名士之面影. 第1集』

　1859（安政6）年、都濃郡戸田村（現 周南市）に生まれました。教員養成所を卒業後、教員となり、現在の下松市立花岡小学校などに勤めます。しかし、向学心に駆り立てられ、辞職して上京。1880（明治13）年、農学に関する日本初の研究機関、駒場農学校（現 東京大学農学部）に入学。ドイツの獣医学者ヤンソンに獣医学を学び、卒業後、同校の助教を経て東京農林学校の教授となります。
　日本では当時、畜産業の広がりとともに家畜伝染病が流行し始めていました。初熊は、東北地方に広がりつつあった馬の病原体を発見し、その予防・治療法を明らかにした「仮性皮疽病の研究」を発表します。
　1898（明治31）年からドイツに3年間留学して細菌学者コッホなどに学び、帰国後、獣医学博士の学位を取得します。そして初代の東京帝国大学獣医病理学教授 兼 農商務省獣疫調査所長に就任し、家畜伝染病の予防・治療に尽力。日本の獣医学界の発展に貢献し、1913（大正2）年、満53歳で亡くなりました。

｢山口県の先人学習コーナー｣施設内の参考資料

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