山口県の先人たち 山口県ひとづくり財団

滝川高等学校 蔵

　1851(嘉永4)年、長府村(ちょうふむら)(現 下関(しものせき)市)で長府藩士(はんし)の家に生まれ、長府の私塾(わたくしじゅく)「集童場(しゅうどうじょう)」で学びました。
　明治維新(いしん)後、大阪開成所(おおさかかいせいじょ)や慶応義塾(けいおうぎじゅく)、工部省(こうぶしょう)の電信(でんしん)学校で最先端(さいせんたん)の知識(ちしき)や技術(ぎじゅつ)を学び、大阪や神戸(こうべ)の駅で当時重要(じゅうよう)な役割(やくわり)を担(にな)っていた電信技師(ぎし)として勤務(きんむ)します。やがてその勤(つと)めを辞(や)め、神戸にあったイギリスの貿易(ぼうえき)会社に入社。辧三は、良質(りょうしつ)の商品を外国に輸出(ゆしゅつ)することで国を豊(ゆた)かにしようと考え、日本で製造(せいぞう)が始まって間もないマッチに着目し、1880(明治13)年、その製造・輸出会社「清燧社(せいすいしゃ)」を設立しました。倒産(とうさん)の危機(きき)に直面した後、独学(どくがく)で品質(ひんしつ)を改良(かいりょう)し、世界に通用するラベルのデザインを工夫(くふう)した結果(けっか)、販路(はんろ)は世界各国(かっこく)に広がり、辧三は「日本のマッチ王」と呼(よ)ばれるようになりました。ガスなどの公共(こうきょう)事業にもかかわり、兵庫(ひょうご)県を代表する実業家となり、1915(大正4)年には貴族院議員(きぞくいんぎいん)となりました。また、1918(大正7)年には、神戸に「滝川中学校(現 瀧川学園)」を創設(そうせつ)するなど、社会に役立つ生き方を貫(つらぬ)き、満(まん)73歳(さい)で亡(な)くなりました。

参考資料

• きらり山口人物伝Vol.3 夢チャレンジ（夢チャレンジ出版事業刊行委員会制作）山口県ひとづくり財団

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