品川弥二郎

産業組合(さんぎょうくみあい)・信用(しんよう)組合の育成者(いくせいしゃ)

しながわやじろう

萩博物館蔵

幕末(ばくまつ)の志士(しし)、明治(めいじ)時代の政治家(せいじか)

1843（天保(てんぽう)14）年〜1900（明治33）年

　1843(天保14)年、萩藩士(はぎはんし)の品川家の長男として萩で生まれました。吉田松陰(よしだしょういん)に学び、その影響(えいきょう)を受けて尊王攘夷(そんのうじょうい)運動に奔走(ほんそう)しました。1868(明治元)年の鳥羽(とば)・伏見(ふしみ)の戦いの後、新政府軍(しんせいふぐん)の軍歌「トコトンヤレ節」の歌詞(かし)を作ったといわれています。
　1870(明治3)年、ヨーロッパに留学(りゅうがく)。帰国後、1882(明治15)年には農商務大輔(のうしょうむだいふ)となり、農林関係を中心に産業を盛(さか)んにすることに力を注ぎ、大日本農会などの産業団体の設立(
せつりつ)に力を尽(つ)くしました。
　その後、ドイツ駐在(ちゅうざい)日本公使や、内務大臣(ないむだいじん)などを歴任(れきにん)。また、ドイツにいたころから関心を持った産業組合や信用組合の普及にも努めました。
　晩年(ばんねん)、京都の別邸(べってい)に「尊攘堂(そんじょうどう)」を設立し、自分より先に亡くなった師(し)の松陰や維新(いしん)の志士らの関係資料(しりょう)の収集(しゅうしゅう)に力を尽くし、満(まん)56歳(さい)で亡(な)くなりました。