ガラス製造(せいぞう)、写真術(しゃしんじゅつ)、パン…。多才な先駆者(せんくしゃ)

中嶋 治平

なかしま じへい

治平鋳造のガラス器具（萩博物館 蔵）

幕末(ばくまつ)の科学者

1823（文政(ぶんせい)6）年〜1866（慶応(けいおう)2）年

　1823(文政6)年、萩(はぎ)で朝鮮通詞(ちょうせんつうじ)(通訳(つうやく))を務める家に生まれました。1856(安政(あんせい)3)年に私費(しひ)で長崎(ながさき)へ行き、朝鮮語やオランダ語、英語(えいご)を学びました。そのころ大流行していたコレラの予防法(よぼうほう)を長崎から萩藩(はぎはん)に提出(ていしゅつ)したことが評価(ひょうか)され、藩の公費で学べることになりました。やがて軍事力(ぐんじりょく)を高め、産業(さんぎょう)を盛(さか)んにするには、化学・科学が必要(ひつよう)だと考えるようになり、オランダ人から蒸気機関(じょうききかん)や製鉄などを学びました。
　1859(安政6)年に萩に帰ると、藩に鉄工局の開設(かいせつ)や化学の利用法などを建白(けんぱく)し、藩から実力を認(みと)められ、ガラス製造所の開設に関わります。鹿児島(かごしま)へ行き、ガラス製造を視察(しさつ)。長崎で英国製の蒸気車の模型を買って帰り、藩主の前で試運転(しうんてん)し、蒸気の力を披露(ひろう)します。その後も化学の必要性を藩に訴(うった)え続(つづ)けたほか、写真術、沈没(ちんぼつ)した軍艦(ぐんかん)の引き上げ、パン製造などの実用化を図(はか)りました。1866(慶応2)年2月には念願(ねんがん)の理化学研究所の総裁(そうさい)となりますが、12月、病で亡(な)くなりました。

中嶋治平クイズ

問題1

萩藩(はぎはん)から実力が認(みと)められた中嶋治平は、何の製造所(せいぞうしょ)の開設にかかわりましたか。
A
ガラス
B
プラスティック
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