日野原重明

100歳(さい)を超え、生涯現役(しょうがいげんえき)を貫(つらぬ)いた医師(いし)

ひのはらしげあき

「新老人の会」提供

内科医

1911（明治(めいじ)44）年〜2017（平成29）年

　1911(明治44)年、母の実家があった山口町(現(げん) 山口市)で生まれました。その後は主に、萩(はぎ)出身でキリスト教牧師(ぼくし)だった父の赴任地(ふにんち)・神戸(こうべ)で成長(せいちょう)します。母が一時危篤(きとく)になった体験(たいけん)から医師を志(こころざ)し、京都(きょうと)大学医学部に入学。同大学院(だいがくいん)を経て、東京の聖路加国際病院(せいルカこくさいびょういん)の内科医となります。39歳(さい)のときアメリカへ1年間留学(りゅうがく)し、患者(かんじゃ)を大切にする臨床(りんしょう)医学や医学教育に感銘(かんめい)。帰国後、医学・看護学(かんごがく)教育の改革(かいかく)に力を尽(つ)くします。

　1973(昭和48)年、地域(ちいき)社会、国民の健康増進(けんこうぞうしん)のための教育・研究をする財団法人(ざいだんほうじん)ライフ・プラニング・センターを創設(そうせつ)。1977(昭和52)年には、成人病の名称(めいしょう)を生活習慣病(せいかつしゅうかんびょう)に改めることを提唱(ていしょう)し、生活習慣で予防できることを広めました。聖路加国際病院の新病院建築(けんちく)を推進(すいしん)し、完成後の1992(平成4)年からボランティアで院長を務(つと)め、1996(平成8)年に理事長に就任(しゅうにん)。2000(平成12)年には「新老人(ろうじん)の会」を結成(けっせい)して高齢者(こうれいしゃ)の前向きな生き方を啓発(けいはつ)する活動を始めたほか、世代を超(こ)えていのちについて考えるために『葉っぱのフレディ』のミュージカル化を企画(きかく)し、海外公演(こうえん)も実現。2005(平成17)年に文化勲章(くんしょう)を受章。100歳を超えても聖路加国際病院の緩和(かんわ)ケア病棟(びょうとう)での週１回の回診(かいしん)のほか、小学生への「いのちの授業(じゅぎょう)」などさまざまな活動に取り組み続(つづ)け、2017(平成29)年、満(まん)105歳(さい)で生涯(しょうがい)を閉(と)じました。