日本人のみの手による貨幣鋳造(かへいちゅうぞう)の立役者(たてやくしゃ)

遠藤 謹助

えんどう きんすけ

伊藤公資料館 蔵

明治(めいじ)時代の官僚(かんりょう)

1836(天保(てんぽう)7)年—1893(明治26)年

1836(天保7)年、萩藩士(はんし)の家に生まれました。1863(文久(ぶんきゅう)3)年、いわゆる「長州(ちょうしゅう)ファイブ」の1人として伊藤博文(いとうひろふみ)らと英国(えいこく)に密航(みっこう)して留学(りゅうがく)。イングランド銀行や造幣局(ぞうへいきょく)で造幣技術(ぎじゅつ)に接(せっ)し、1866(慶応(けいおう)2)年に帰国します。

維新後、造幣権頭(ごんのかみ)に抜擢(ばってき)されます。大阪に造幣寮(りょう)が設(もう)けられた当初(とうしょ)、その指揮(しき)をとったのは外国人でした。しかし、その独断専行(どくだんせんこう)に抗議(こうぎ)し、謹助は辞任(じにん)。その後、造幣寮は造幣局と改称(かいしょう)され、謹助は造幣局長として復帰(ふっき)。日本人技術者(ぎじゅつしゃ)の育成(いくせい)に努(つと)め、日本人のみによる貨幣鋳造を成功(せいこう)させます。

貨幣鋳造にはさまざまな工業薬品や機械(きかい)が必要(ひつよう)であり、その自給自足(じきゅうじそく)に取り組み、日本の近代工業の礎(いしずえ)づくりにも貢献(こうけん)しました。また、造幣局の「桜(さくら)の通り抜(ぬ)け」は、謹助が市民(しみん)にも楽しんでもらおうと発案(はつあん)したものです。

遠藤謹助クイズ

問題1

英国で造幣技術に接した遠藤謹助が、維新後造幣局長となり、日本人のみにより成功させたことは何ですか？
A
貨幣鋳造
B
大砲鋳造
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参考資料

  • きらり山口人物伝 Vol.9 夢チャレンジ（夢チャレンジ出版事業刊行委員会 制作）山口県ひとづくり財団

  • 長州ファイブ物語（道迫真吾 著）萩ものがたり

  • 密航留学生「長州ファイブ」を追って（宮地ゆう 著）萩ものがたり

  • 奮発震動の象あり　防長教育史の人びと（松野浩二 著）

  • その後の長州五傑（松野浩二 著）

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