東洋の化粧(けしょう)王

中山 太一

なかやま たいち

太翔館（下関市立豊北歴史民俗資料館） 蔵

明治(めいじ)・大正・昭和時代の実業家

1881(明治14)年〜1956(昭和31)年

　1881（明治14）年、滝部(たきべ)村（現(げん) 下関(しものせき)市豊北(ほうほく)町）に生まれました。大分(おおいた)の薬種商(やくしゅしょう)で働(はたら)き、神戸(こうべ)の支配人(しはいにん)に抜擢(ばってき)された後、独立(どくりつ)。1903（明治36）年に神戸で化粧品雑貨の卸売業(おろしうりぎょう)「中山太陽堂(なかやまたいようどう)」を創業(そうぎょう)します。
　やがて化粧品の製造業(せいぞうぎょう)に乗り出し、クラブ洗粉(あらいこ)、クラブ歯磨(はみがき)など高品質(こうひんしつ)な自社製品を次々と開発(かいはつ)してヒット。双美人(そうびじん)の商標(しょうひょう)（デザイン）や、自動車や飛行機(ひこうき)を用いた斬新(ざんしん)な広告(こうこく)も評判(ひょうばん)となります。出版会社(しゅっぱんがいしゃ)も始め、谷崎(たにざき)潤一郎(じゅんいちろう)などが執筆(しっぴつ)した文芸雑誌(ぶんげいざっし)や、有名画家が挿絵(さしえ)を描いた雑誌などを創刊(そうかん)し、大正モダニズムの象徴(しょうちょう)となります。
　また、故郷(こきょう)に多額(たがく)の寄付(きふ)を行い、1924（大正13）年には中山三兄弟の寄付でルネサンス様式の滝部小学校校舎（現 下関市立豊北歴史民俗資料館(れきしみんぞくしりょうかん)）が新築(しんちく)されました。戦時中は化粧品の資材調達(しざいちょうたつ)が困難(こんなん)となり、戦後、会社の復興(ふっこう)を進める中で相談役(そうだんやく)に退(しりぞ)き、1956（昭和31）年、満(まん)74歳(さい)で亡(な)くなりました。

中山太一クイズ

問題1

中山太一が創業した「中山太陽堂」は、何を扱うお店ですか。
A
自動車
B
化粧品
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