山口県の先人たち 山口県ひとづくり財団

日本女子大学成瀬記念館 蔵

　1858(安政5)年、吉敷郡(よしきぐん)吉敷村(現 山口市)で生まれ、郷校(ごうこう)「吉敷憲章館(けんしょうかん)」で学びました。1876(明治9)年に山口県教員養成所(きょういんようせいじょ)を卒業し、小学校の校長を務(つと)めていたころ、アメリカから帰国した澤山保羅(さわやまぽうろ)に共感(きょうかん)し、キリスト教に入信(にゅうしん)します。大阪で牧師(ぼくし)として活動しながら、保羅が創立(そうりつ)した「梅花(ばいか)女学校(現 梅花女子大学)」の教師となり、その後「新潟(にいがた)女学校」を設立(せつりつ)しました。
　1890(明治23)年、アメリカへ渡(わた)り、神学校や大学で女子教育を研究します。帰国後、当時まだ高等教育は女子に不要(ふよう)という社会的(しゃかいてき)な認識(にんしき)が強い中、仁蔵は女子高等教育機関(きかん)の設立に向けて奔走(ほんそう)しました。1901(明治34)年、萩出身の藤田伝三郎(ふじたでんざぶろう)ら多くの人々に支(ささ)えられ、日本初(はつ)の女子総合(そうごう)大学の構想(こうそう)をもつ「日本女子大学校(現 日本女子大学)」の創設を果(は)たします。特に精神(せいしん)教育を重んじ、出版(しゅっぱん)や通信教育などさまざまな社会的活動も展開(てんかい)し、満(まん)60歳(さい)で亡(な)くなるまで女子高等教育の発展に力を尽(つ)くしました。

参考資料

• きらり山口人物伝Vlo3.夢チャレンジ（夢チャレンジ出版事業刊行委員会制作）山口県ひとづくり財団
• 知られざる社会学者成瀬仁蔵（河村望　著）人間の科学新社
• 成瀬仁蔵　人物叢書新装版（中嶌邦　著）吉川弘分館

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