岩崎想左衛門重友

台地に水を引いた鹿野(かの)の恩人(おんじん)

いわさきそうざえもんしげとも

岩崎想左衛門重友像（周南市鹿野総合支所提供)

江戸(えど)時代の治水家(ちすいか)

1598（慶長(けいちょう)3）年〜1662（寛文(かんぶん)2）年

　1598(慶長3)年に富田(とんだ)(現周南市(しゅうなんし)富田)で生まれ、後に鹿野(現周南市鹿野)に住むようになりました。
　鹿野の中心部の土地は台地状に高くなっているため、集落に川がなく、生活や農業などの水に困(こま)っていました。想左衛門は村人の不自由(ふじゆう)さを見かね、荒(あ)れ地の新田開発も目指し、漢陽寺(かんようじ)の裏山(うらやま)にトンネルを掘(ほ)り、錦川(にしきがわ)の支流(しりゅう)渋川(しぶかわ)から水を引く計画を立て、1651(慶安(けいあん)4)年藩(はん)の許可(きょか)を得(え)て、自分の費用(ひよう)で工事を始めます。3年後、渋川の取水口(しゅすいこう)から洞入口(どういりぐち)まで870ｍ、洞の長さ約90ｍ、さらに集落内の用水路を完成させます。
　想左衛門が亡(な)くなった後も、用水路は子孫や村人によって延長(えんちょう)され、トンネルは後に「潮音洞(ちょうおんどう)」と命名(めいめい)されました。その水は今も鹿野を潤(うるお)し続けています。