山口県の先人たち 山口県ひとづくり財団

入江九一・野村靖 誕生地 石碑（山口県萩市土原）

　1837（天保8）年、萩藩(はぎはん)の足軽(あしがる)・入江家の長男として萩で生まれました。1858（安政(あんせい)5）年、満(まん)21歳(さい)のとき、松下村塾(しょうかそんじゅく)に入門。弟の和作（野村(のむら)靖(やすし)）も松陰の門下生でした。九一は「誠(まこと)に才知(さいち)これあり、忠義(ちゅうぎ)の志厚(こころざしあつ)く感心のもの」と松陰から高く評価(ひょうか)された人物で、高杉(たかすぎ)晋作(しんさく)・久坂(くさか)玄瑞(げんずい)・吉田(よしだ)稔麿(としまろ)と共(とも)に「松下村塾の四天王」といわれるようになります。
　松陰が獄(ごく)に投じられると松陰の指示(しじ)を受けて弟と共に奔走(ほんそう)しますが、藩によって自分たちも投獄されます。松陰死後も獄にとらわれ続けますが、玄瑞の指導(しどう)で勉学に励(はげ)みます。やがて釈放(しゃくほう)され、1863（文久(ぶんきゅう)3）年には、藩から尊王攘夷(そんのうじょうい)の志(こころざし)を賞賛(しょうさん)され、士分の待遇(たいぐう)へ昇格(しょうかく)。その年、晋作の「奇兵隊(きへいたい)」創設(そうせつ)に加(くわ)わり、その後も国事に奔走していきます。
　1864（元治元）年、萩藩の復権(ふっけん)を目指した「禁門(きんもん)の変(へん)（蛤御門(はまぐりごもん)の変）」では参謀(さんぼう)を務(つと)めましたが、戦(いくさ)の中で重傷(じゅうしょう)を負い、公家(くげ)の鷹司邸(たかつかさてい)で自刃(じじん)。満27歳でした。

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