山口県の先人たち 山口県ひとづくり財団

岩国徴古館 蔵

　岩国領主(りょうしゅ)・吉川家の長男として生まれ、吉川家の家督(かとく)を継(つ)ぎました。経幹は1863（文久(ぶんきゅう)3）年、萩藩主・毛利(もうり)敬親(たかちか)から政局(せいきょく)への協力要請(きょうりょくようせい)と同時に、それまで藩として認(みと)められていなかった吉川家の待遇(たいぐう)の改善(かいぜん)を約束(やくそく)されます。それを受けて経幹は敬親の代理として京都へ上ります。
　ところが「8月18日の政変(せいへん)」が起き、萩藩（長州(ちょうしゅう)藩）と攘夷派(じょういは)の7人の公卿(くぎょう)（七卿(しちきょう)）が京都から追放され、経幹は七卿を護衛(ごえい)して帰国します。1864（元治(げんじ)元(がん)）年、経幹は反対したものの、萩藩は再起(さいき)を図(はか)って京都へ進発し、御所(ごしょ)で会津(あいづ)藩などと戦(たたか)い、敗退(はいたい)します（禁門(きんもん)の変(へん)）。その直後、朝廷(ちょうてい)の命令(めいれい)を受けた幕府が長州征討(せいとう)へ。そのとき経幹が幕府軍(ぐん)と交渉(こうしょう)し、征討は中止となります。1866（慶応2）年、幕府は再(ふたた)び諸藩(しょはん)に長州征討を命令（第2次長州征討。四境(しきょう)戦争）。経幹は萩藩と協力(きょうりょく)して戦い、幕府軍に勝利します。
　しかし翌年(よくねん)、経幹は満(まん)37歳(さい)で病死。突然(とつぜん)の死は伏(ふ)せられ、1868（明治元）年、敬親の推挙(すいきょ)で岩国藩主として認められた後、死去が発表されました。

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