日本の近代捕鯨(ほげい)先駆者(せんくしゃ)

岡 十郎

おか じゅうろう

萩博物館 提供

明治(めいじ)・大正時代の実業家

1870(明治3)年〜1923(大正12)年

 1870(明治3)年、阿武郡(あぶぐん)奈古(なご)村((げん) 阿武町)の西村家の5男として生まれ、同郡福井村(現 萩市)の酒造家・岡家の養子(ようし)となりました。上京して慶應義塾(けいおうぎじゅく)に学び、卒業(そつぎょう)して帰郷(ききょう)する(さい)福沢(ふくざわ)諭吉(ゆきち)から、山口県に近い韓海漁場(かんかいぎょじょう)朝鮮(ちょうせん)半島近海)の水産業(すいさんぎょう)に注目するよう示唆(しさ)されたといいます。
 ノルウェー式捕鯨に着目し、1899(明治32)年、三隅(みすみ)村(現 長門市)の山田(やまだ)桃作(とうさく)、山口出身の河北(かわきた)勘七(かんしち)らと仙崎(せんざき)(現 長門市)を拠点(きょてん)に近代的捕鯨会社「日本遠洋漁業株式会社(かぶしきがいしゃ)」を創設(そうせつ)します。捕鯨砲(ほげいほう)習熟(しゅうじゅく)したノルウェー人砲手を採用(さいよう)し、自らノルウェーへ行って捕鯨方法(ほうほう)を学び、用具も調達(ちょうたつ)。当時の韓国政府(せいふ)大韓帝国(だいかんていこく))から韓海漁場での操業許可(そうぎょうきょか)()て、同社は苦難(くなん)()ながらも日本で初めて経営(けいえい)成功(せいこう)した近代捕鯨会社となり、やがて「東洋漁業」と改称(かいしょう)。その後、他の捕鯨会社を吸収合併(きゅうしゅうがっぺい)して「東洋捕鯨株式会社」と改称し、日本最大の捕鯨会社に成長します。
 十郎はさらに海外漁場の開拓(かいたく)(いど)もうとしましたが、1923(大正12)年、(まん)52(さい)()くなりました。

岡 十郎クイズ

問題1

日本の近代捕鯨の先駆者と呼ばれる岡十郎が、捕鯨方法を学んだのはどこの国ですか。
A
ノルウェー
B
イギリス
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